「施術中、何を話せばいいかわからない」

「沈黙が続くと気まずくて、焦ってしまう」

開業したてのネイリストさんからも、経験のあるネイリストさんからも、よく聞く悩みです。

じつは、この悩みには意外なところに答えがあります。

「話さなきゃ」が、いちばんの原因

沈黙が気まずく感じるのは、「会話しなきゃいけない」と思っているからです。

でも、考えてみてください。お客様はネイルをしてもらいに来ています。おしゃべりをしに来ているわけではありません。

施術中の沈黙は、気まずい時間ではなく、お客様がリラックスしている時間かもしれないのです。

じつは「静かに過ごしたい」お客様が多い

ネイルサロンに通うお客様のなかには、「できるだけ静かに施術を受けたい」「今日はちょっと疲れているから話したくない」という方がたくさんいます。

そういうお客様にとっては、ネイリストが無理に話を広げようとしているのが伝わると、逆に気まずいんです。

「話さなきゃ」と焦っているネイリストの空気は、お客様にも伝わります。

会話が得意じゃなくても、できること

1. 最初と最後だけ、ちゃんと話す

施術を始めるときに、前回の話したことがあれば「その後どうでした?」を話したり、前回のネイルの話を聞いた流れから、今日のデザインの確認をお聞きする。そして仕上げのときに「いかがですか?」「次回のご予定ですが」などを聞く。このように最初と最後だけしっかり話せば、途中は静かでも全然大丈夫です。

お客様はスマホを見たり、目を閉じたりしているかもしれません。それは「退屈」ではなく「心地よい」のサインです。

2. 話すより、聞く

自分から話題を振るのが苦手なら、聞き役に徹する方がうまくいきます。

お客様が何か話し始めたら、「へぇ、そうなんですね」「いいですね」と相づちを打ちつつ、その話題にそって「それだと大変だったんじゃないですか?」などと質問で返してあげるだけで、会話は自然に続きます。

人は、自分の話を聞いてくれる人に好感を持ちます。たくさん話す人より、ちゃんと聞いてくれる人の方が、お客様は心地いいのです。

3. 爪のことを話す

会話のネタに困ったら、目の前にある「爪」の話をすればいいのです。

「前回のネイル、きれいに持ちましたね」「この時期、乾燥で爪が割れやすいのでオイル塗ってあげてくださいね」

爪のケアやデザインの話は、ネイリストの専門分野。お客様にとっても有益な情報なので、「おしゃべり」ではなく「アドバイス」として自然に受け取ってもらえます。

無理に天気や趣味の話をしなくても、爪のことなら自信を持って話せるはずです。

4. 「話さない」もプロの判断

お客様がスマホを触っている。目を閉じている。短い返事しか返ってこない。

それは「この人、話したくないんだな」というサインです。そこで話しかけないのは、気が利かないのではなく、プロの判断です。

「静かに過ごせて良かった」「無理に話しかけられなくて楽だった」——そう思ってもらえたら、それもリピートの理由になります。

「会話上手なネイリスト」の正体

人気のネイリストが全員おしゃべり上手かというと、そうでもありません。

人気のネイリストがやっているのは、お客様に合わせていること。

話したい人には話し相手になる。静かにしたい人には静かな空間をつくる。それだけです。

話し相手になるコツは聞き役になる、と書きましたが、話しやすい話し相手として何か努力したいとお考えでしたら、前回来店時にお話ししてもらった会話は忘れない。たとえばどこどこへ行く、と聞いていたなら、その話題に関して「どうでした?よかったですか?」と聞いてみたり。

lianil管理ページの、顧客管理→顧客の詳細の「メモ(顧客に関する覚え書きなど)」に記載しておいたり、予約詳細の「管理者メモ」に記載しておくなどすれば、まちがうことを防げたり、記憶違いによるズレた質問をなくすことができます。
しっかり正しく覚えておくことは大事なことですので、ここには気を配ると信頼につながると思います。

そのうえで静かに過ごされたいのか、お話を続けたいのかは空気感でわかると思います。「今日はどんな気分かな?」と、お客様の様子を見てから対応を決める。この「観察」ができることが、会話の技術より大事なことです。

話すのが苦手でも、大丈夫

ネイルの仕事で大切なのは、技術と、お客様を思う気持ちです。

たくさん話さなくても、あなたが爪を丁寧にケアしたり、ネイルをきれいに仕上げてる姿はとても好印象に伝わりますし、最後に笑顔で「ありがとうございました」と言う。それだけで、お客様は「また来よう」と思うものです。

「話さなきゃ」のプレッシャーを手放したら、施術にもっと集中できるし、お客様との時間ももっと楽しくなるはずです。

あなたの施術を心待ちにしているお客様は、あなたの話術ではなく、あなたのネイルを楽しみにしています。